染めについて
手ぬぐいの染め方、大きく3種類についてご説明いたします。
染め方の種類
手ぬぐいの染め方には、大きく3種類がございます。
このうち、「手捺染」と「注染」が本染めといわれています。
「手ぬぐい」らしい風合い(肌触り、色合い)をお求めでしたら、本染めをおすすめいたします。
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項目染め方 | 手捺染(てなせん) | 注染(ちゅうせん) | 顔料プリント(名入れ) |
---|---|---|---|
複雑な柄の再現性 | ◎ | △ | ◎ |
使用できる 色数、色合わせ |
◎ | △ | ◎ |
グラデーション | × | △ | × |
色の裏通り | ○ | ◎ | × |
色の耐久性 | ◎ | △ | ○ |
生地の肌触り | ◎ | ◎ | × |
価格 | △ | ○ | ◎ |
染め方について不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
手㮈染(てなせん)について
手捺染は、1色に対して型を1枚使い染める方法です。
安坊の店舗で販売している手ぬぐいのほとんどが、この手捺染で染められています。
染め方
スキージーという木のヘラを使い、1枚1枚の型で色を染めていきます。
スキージー(木のヘラ)と型を使います。型は1色につき1枚です。
手ぬぐいを1枚ずつ染めます。
加熱し、色を固着させます。その後洗濯をし、余分な染料を落とします。
柄の再現性
手捺染の特徴は、手ぬぐいらしい風合い(肌触り、色合い)そのままに、複雑な柄を再現できるところです。グラデーションはできませんが、色数や線の細さ、柄の輪郭など、デザインにこだわるお客様のご希望に沿える染め方です。
デザインの輪郭がはっきりと染められます。
線幅は1.5mmまで表現できます。
多色であったり、規則的な柄だったりする場合に適しています。
色の裏通り
手捺染は、生地の片面に型を置きヘラ(スキージー)で染めるため、注染のような完全な裏通りではありません。しかし、安坊の手ぬぐいは、職人の技術で注染に近い裏通りを実現しています。
手捺染 【 表面 】
手捺染 【 裏面 】
色の耐久性
染料の違いにより、一般的に手捺染は注染よりも色落ちがしにくい染め方です。
型について
手捺染に使用する型は、使い捨ての型になります。
年度ごとに同じ柄を染める場合は、その都度型を作成することになり、型代をいただくことになります。
注染(ちゅうせん)について
注染は、その名の通り重ねた生地の上から染料を注ぎ染める、伝統的な技法です。
使用する染料の違いで、手捺染に比べると色の耐久性が低く、色落ちすることがあります。
また、生地を重ねて染めるため、1枚1枚の柄や色合いに若干のズレがでることもあります。
しかし、それが染物らしい味として親しまれています。
染め方
生地と図案通りの糊(のり)を交互に重ねます。
この糊は「防染糊」と呼ばれており、付いている箇所は染まらず、白いままです。
この重ねた生地の上から染料を注ぎ入れ、下からバキュームで吸い、色を入れます。
晒生地を糊と交互に重ねます。
上から染料を注ぎます。
生地の糊と余分な染料を落とします。
注染の味わい
注染の最大の特徴は、生地の表裏が関係なく染められるところと、グラデーションが可能というところです。
用途や好みで、裏面も同じように染める必要がある場合は、注染をおすすめしています。
注染は、明治時代に開発された昔ながらの伝統的な染色方法です。
色が光や洗濯に弱かったり、色のにじみがあったり、1枚1枚の柄にズレが出たりします。
その仕上がりの曖昧さが注染「手ぬぐい」の味になります。
注染 【 表面 】
注染 【 裏面 】
グラデーション(ぼかし)が可能です。
晒生地を糊と交互に重ねます。
異なる色の間には1cm以上の余白が必要ですが、同色の場合は細かい柄にも対応します。
型について
注染に使用する型は、保管型になります。 毎年同じ柄で、色を変えてご注文いただくお客様もいらっしゃいます。
染料と顔料について
染料と顔料の違いを簡単に言うと、染料は生地の繊維そのものに染み込み、顔料は繊維の上に乗ります。
顔料は、複雑な柄に対応できたり、耐光性があったり、また、安価というメリットがあります。
しかし、繊維と繊維の間で固まっているので、肌触りが悪く、摩擦(スレ)に弱いという特徴があります。
それに引き替え染料は肌触りがよく、手ぬぐいらしい風合いになります。
染料の中でも手捺染で使われる反応染料は、原子レベルで染料と木綿繊維が結合するため、高い耐久性を保ちます。
染料は繊維そのものに染み込みます。
顔料は繊維の上に乗ります。
お問い合わせ
■株式会社 染の安坊
〒111-0032 東京都台東区浅草1丁目21-12
FAX.03-5806-4447
※半天・半纏・袢纏 お誂え別注の方は、お電話にて事前予約をお願いします。